ロゴ:THE ビッグオー

Act:14
『Roger the Wanderer』

 突如パラダイムシティの沖合いから現れた3体の異国のメガデウス。戦闘は熾烈を極め、ビッグオーはその右腕を噛み千切られてしまう。激しい戦闘の中、自身の存在に疑問をいだきつつ次第に意識を失って行くロジャー。
 意識を取り戻すと、自身がみすぼらしい姿で雑踏の中に座り込んでいることに気づく。戦闘はどうなったのか…ここはどこなのか?空にはドームも無く、記憶を失っていない人々の活気に満ちた大都会。行きつけの安酒場の店長は、デイルから見覚えの無い男に変わっており、情報屋ビッグ・イヤーの姿は無い。自身の屋敷に戻ると、そこは銀行として営業されており、しかも頭取をつとめているのは宿敵ベック!?自分の記憶とは全く様変わりした世界に、困惑するロジャー。それとも、変わったのは世界ではなく、自分の記憶なのだろうか?

Act:15
『Negotiation with the Dead』

 今回ロジャーの元を訪れた依頼人は、ケリー・フィッツジェラルドと名乗る老婦人で、元老院メンバー連続殺人事件の犠牲となった夫ロスコーの命を守るため、暗殺者との交渉をして欲しいとのことだった。しかし殺人アンドロイドR・Dは既に破壊された。何より、ロスコーは既に殺されたのではないか?不審に思いながら、ケリーの屋敷に出向いたロジャーは、車椅子で生活しているロスコーと相見える。彼は、殺害されたのは全て40年前のメモリーを持つ元老院メンバーの記憶を共有していた若者たちであることを告げると、事件の真相究明をロジャーに依頼する…。

Act:16
『Day of the Advent』

 ある夜、パラダイムシティのアウト・オブ・ドームに、空から光る物体が落下した。ストリートに大きなクレーターを穿ったこの物体を、住人達は天使降臨の予兆と噂した。
 この出来事に興味を抱いたロジャーは落下現場に出向いてみるが、既に落下物はパラダイム社により回収された後だった。そこにノーマンから連絡が入る。落下地点から遠くない場所でホテルを営む男から交渉依頼があったというのだ。
 さびれたホテルの経営者はジム・マゴーワンと言い、病弱で昼間は外に出られない孫娘タミと二人で暮らしていた。彼は天使降臨に関する記憶を持っており、未来の無いアウト・オブ・ドームの住人たちのために、降臨する天使との交渉を頼みたいというのだ。未来の記憶というものには疑問を感じながらも、依頼を引き受けるロジャーだったが…。

Act:17
『Leviathan』

 パラダイムシティに撒き散らされた大量のチラシ。人々の畏れを煽るその書面の署名は、あのシュバルツ・バルトのものだった。パラダイム社の幹部陣は、ロジャーを呼びつけると、かつてのアレックスとの契約不履行を理由にシュバルツ・バルトとの交渉続行を依頼。その横柄な態度には腹立ちを感じつつも、自身もシュバルツ・バルトの真実に興味を隠せないロジャーは渋々依頼を受ける。
 手掛かりを求めて、再び地下神殿に足を踏み入れたロジャー。奇妙なメッセージを打ったタイプライターが打ち捨てられたその奥は、パラダイム社の地下工場に繋がっていて、そこにはビッグデュオや異国の3体のメガデウスの修復作業が行われていた…。
 さらに異国のメガデウスの中には、製造中と思われる白いメガデウスが顔を覗かせていた。そこに姿を現すアレックスとアラン。アレックスは自分こそが、生まれながらにメガデウスを動かす資格を持って生まれてきた人間だと言い放つ。ただメガデウスのドミュナスとして唯一揃っていない力を得るために、画策していたのだ。
 その頃街ではメガワーム・リヴァイアサンが出現し、砂状化攻撃をしはじめる…。

Act:18
『The Greatest Villain』

 パラダイムシティの建設に携わった日系企業ヨシフラ・ヤカモトからの交渉依頼を受け同社を訪れたロジャー。だが、彼はそれ以降行方を絶ってしまった。
 ロジャーのいない彼の屋敷に、突然ダストンが訪ねてくると、ロジャーが誘拐されたらしいと告げ、彼のネクタイを取り出した。犯人との交渉に色めきだつダストン。だが、かかってきた電話に冷静に対応したドロシーは、以後犯人とのネゴシエイトは自分が行うと宣言する。
 磔台で目覚めたロジャー。そこに姿を現したのは、彼に何度も煮え湯を飲まされてきたベックだった。部下と共に、刑務所から脱走したベックは、ロジャーがビッグオーを操っているという事実のメモリーが戻ったというのだ。復讐のためヨシフラ・ヤカモトに科学者を装って潜入したベックらは、ロジャーの頭部の骨格と声帯を完全にコピーしたロジャー・ドロイドを作り出し、腕時計通信機を奪うとロジャー・ドロイドを用いてビッグオーを誘導、そして海中に沈めようと画策したのだ。

Act:19
『Eyewitness』

 パラダイムシティでは、アンドロイドを対象にしたアンドロイド・クラッシャー事件が世間を騒がせていた。軍警察で捜査にあたるダストンのもとに、パラダイム本社は査察官を派遣するが、R・フレデリック・オライリーと名乗るその査察官はアンドロイドであった。
 その頃、ドロシーが機械油を買いにオイルバーへと出かけた際に、アンドロイド・クラッシャーの襲撃を受けていた。冷静にパイプ爆弾を振り落とし、難を逃れたドロシーだったが、ロジャーの抗議もむなしく犯人の目撃者ということで軍警察に拘留されることに…。しかし、彼女の視覚メモリーから、ダウン姿にキャップを被った犯人のシルエットが判明。また、ドロシーが買い物に行ったオイルバーを他の破壊されたアンドロイドも利用していたことから、犯人の潜伏場所も特定される…。

Act:20
『Stripes』

 炎上する都市を破壊するメガデウスの群れ、そしてスキンヘッドの子供たちの瞳に浮かぶバーコード…度重なる悪夢に魘されるロジャー。時折湧きあがってくるメモリーの断片に、自身についての疑惑と不安を募らせていた彼は、メモリーを失っていない可能性のある唯一の人物、ゴードンに会うため、アイルズベリィの農園に向う。
 思いつめた表情で、記憶について、そして自身の存在についてを尋ねるロジャー。だがゴードンは、実体の無い記憶に拘るロジャーに諭すような態度をとった上で、「私との契約まで忘れたのか?ネゴシエイター」とさらなる謎を問いかけるのだった…。「契約…?」
ロジャー自身に記憶の無い契約とは…?

Act:21
『The Third Big』

 ボナパルトの猛攻を前に、突如活動を停止し、防御体制のまま横たわってしまったビッグオーに混乱するロジャー。だがそこに、アランがドロシーをいたぶりながら追い詰めて行く映像が送信されてきた。ビッグオー停止の真意を理解したロジャーは、ビッグオーから降りるとダストンと共にパトロールカーで、グランドセントラル駅に急行する。
 回転する右手で、ボディをバラバラにするというサディスティックな行為に陶然とし、ドロシーに迫るアラン。銃口を向け、アランの行動を制止しようとしたエンジェルも、心の奥の嫉妬心をアランに見透かされた衝撃で、その銃を取り落としてしまう。ドロシーの運命もこれまでか。だが、間一髪でロジャーとダストンが間に合い、アランの凶行からドロシーを救い出すことに成功する。
 その頃ボナパルトは、静止してしまったビッグオーから標的をパラダイム本社に変更し、猛攻を開始する…。だがその時、本社の凱旋門が二つに開くと、地下から白い巨人がせり上がってきた…。

Act:22
『Hydra』

 ユニオンによる破壊活動に対し、パラダイム社は軍警察によるスパイ狩りを強化し、340号ことエンジェルも追われる身となっていた。別れを告げるためロジャー邸を訪れたエンジェルだが、あいにくロジャーは不在。彼女は、アレックスをはじめ多くの者が捜し求めているメモリーは、ロジャーにとっても大切なものであるというメッセージをドロシーに託すと、雨の中に消えていった…。
 一方ロジャーは、ゴードンの別荘でアレックスと対峙していた。ビッグファウの部品の回収に利用したユニオンは、元々この街以外で生き残り、砂漠や廃墟の中でただ生きるだけしか脳の無い、文化を築く事もしない生きる価値の無い盗賊の集まりで、唯一文化を遺す意味を持たされた街こそパラダイムシティである。そして、メガデウスを操る正統なメモリーを持つ自分たちこそが、この街の主役であると説くアレックスに、ロジャーは不快感と生き方の違いをますます感じるのだった。

Act:23
『Twisted Memories』

 ドロシーからエンジェルの伝言を聞いたロジャーは、彼女の行方を求めてシティを奔走する。海底トンネル内で、エンジェルらしい人影が目撃されたことをダストンから聞き、グリフォンをトンネルに走らせたロジャーの前に現れたフードを被った女性。だがその人影はエンジェルではなくヴェラだった。 その頃、刑務所に収監されているベックの元を、アランが訪れていた。彼はベックに、死刑執行停止と引き換えにビッグファウのインターフェイス復元を強要するのだった。
 そして、ロジャー邸宅が、突如無数のウォーマシンに襲撃を受ける。ノーマンの正確な射撃はウォーマシンを次々と迎撃しては行くものの、いかんせん多勢に無勢。次第に、追い詰められていくノーマンとドロシー。しかし、ようやく帰り着いたロジャーの目の前で、一機のウォーマシンに連れ去られてしまうドロシー。ロジャーはすぐさまビッグオーで追跡するが、その前に真紅のビッグが立ち塞がった。

Act:24
『The Big Fight』

 ロジャーの前に立ち塞がった真紅のビッグは、パラダイム社により再生されたビッグデュオ・インフェルノだった。そのコクピットには、無数のケーブルで生身の身体をデュオに直結させたアランの姿があった。インフェルノの猛攻により右腕を使えなくなったビッグオーは、Oサンダーで反撃、インフェルノの頭部を刎ねる。しかしインフェルノは起き上がり、より凶暴性を増して行く。だが、その時、死亡したはずのシュバルツ・バルトの声があたりに響いた。「メガデウスはドミュナスを選ぶ」。インフェルノのコクピット内に表示されるメッセージが変わるのを合図とするように、ケーブルがアランを身体ごと飲み込んで行く。そしてアランを飲み込みながら飛び立つと、ドームの空に消えていった。
 インフェルノとの戦いを終えたロジャーは、ドロシーの行方を求めてグリフォンで疾走していた。そうしてようやく発見したドロシーは、額からメモリードライブを抜かれた人形と化していた…。

Act:25
『The War of the Paradigm City』

 ユニオンによるパラダイムシティへの空爆が始まった。それはまさに、ゴードンの著した『メトロポリス』の描く光景そのものだった。そこに立ち上がるビッグファウ。ドロシーのメモリードライブを利用したインターフェイスで、コア・メモリーを内蔵したメガデウスとして甦ったのだ。
 その頃、地下に作られた記憶のステージで、エンジェルは呆けたように腰掛けているゴードンと再会。更に、母親の口調で語りかけてきたのはヴェラその人であった。己と元老院議員の遺伝子のメモリーを再生するために、ゴードンが栽培した“トマト”の中で、不適合種として切り捨てられたものこそ、自分やエンジェル、そしてユニオンだと語るヴェラ。エンジェルはヴェラに銃口を向けるが、逆にヴェラに鞭打たれてしまう。スーツの背中が裂け、羽跡のような痣に傷跡が重なって行く。それを止めたのは、ロジャーだった。「お前も我等と同じく人工栽培の出来損ない!」と罵声を浴びせるヴェラに、ロジャーは生まれと一人の人間の生き方は別物であると力強く言い放つ。
 その時、ゴードンが明瞭な口調で真実を語りはじめる。

Act:26
『The Show Must Go on』

 黒と白。二つのビッグの激闘の幕が切って落とされた。ビッグファウの猛攻に、ビッグオーは頭部クリスタルを粉砕され、コクピットのロジャーの意識は失われていく。アレックスと一体化したビッグファウは、ビッグオーを、海中に突き落とした。
 海中深く沈みゆくビッグオーのコクピットでも、ロジャーを救うために一体化すべくケーブルがロジャーに近づくが、ロジャーの意志を汲み動きを止める。記憶の断片の中を彷徨うロジャー。そんなロジャーを救うべく現れたのは、メモリーを失い機能を止めたはずのドロシーだった。コクピットを空気で満たすと、自身をインターフェイスとしてビッグオーに接続するドロシー。
 その頃、エンジェルの背中の痣が光を帯び出した。ゴードンの導きで、奇妙な空間に足を踏み入れたエンジェルは、自身の意志で選択をくだす。そんな彼女を、大きな翼のような光が包んでゆく。
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